仏教国のタイですが、ご利益のある神様に願い事をするのも大好きなタイ人。
特にインドの神様は、願い事を叶えてくれるとタイの文化に昔から馴染んでおり、中でも有名なパワースポットは、4つの顔を持つブラフマーを祀るラチャプラソン交差点の『エラワンの祠(ほこら)』や、象の頭を持つ商売繁盛の神様ガネーシャを祀るセントラルワールド前の広場でしょうか?
この周辺は、ほかにも様々なインドの神様が点在して祀られていますが、一番わかりにくい場所にあるせいか、日本人や旅行客はほとんどみかけない、しかし、タイ人女性で溢れかえっているという畢竟のパワースポットがあります。
場所は、BTSチットロム駅からも直結で行けるゲイソン・ヴィレッジ4階のバルコニー。チットロム駅からは徒歩3分もあればたどり着いてしまいますが、モール内の専用のエレベーターに乗らないとたどり着けないため、行くのにはちょっとしたコツがあります。
そして、ここで祀られているのは美と豊穣の女神として有名な「ラクシュミー」です。
「えっ!美の神様!美しくなりたいワ」と、すぐに思ったのは、20代の頃の私です。
インドの宗教画や偶像には、蓮(はす)の花に鎮座しているラクシュミー像が描かれており、また、女神という存在からピンク色が連想されるのか、ピンク色の服を着て、ピンクの蓮の花や、ピンク色のお供え物を持ってやってくる人で溢れかえっています。
また、ラクシュミーは男性にモテモテだったという神話があるためか、恋愛成就にも効果があるとされており、若い女性の割合がとても多いです。
円錐の台に乗っているラクシュミー像は、意外と小さい印象で、一方で、そのまわりをずらりと囲むピンク色の服を着た女性達のエネルギーがこれまたすごい!

特に土日は人で溢れかえっています

円錐の台に乗ったラクシュミー像。意外と小さいです

お供え物はピンクだらけ!

お供え物は、蓮(はす)の花、りんご、イチゴポッキー、イチゴミルクなどが多いです
土日は人がかなり多く、ラクシュミー像の真ん前で写真を撮るのが難しく、平日の午後に再度訪れました。
土日に比べれば、人はまばらなために、お祈りする女性達の様子を観察することができます。そこでは、様々な参拝客を見かけました。
熱心な参拝客その①…どの女性も熱心に祈願していますが、その中でも、ラクシュミー像の真ん前で、長い間スマホを見ながらぶつぶつと願い事を唱えている女性がいます。
あまりにも長い時間お祈りしているため、彼女の隣が空いて、無事、ラクシュミー像の写真を撮ることができました。
ちらりと横目で彼女を観察してみると、なんと、スマホに50個以上の願い事が、番号をふられて書いてあるのです。
それをひたすら読んで、神様にお願いしていたんですね。
また、お供え物は、ピンクの蓮の花ほか、りんごや、ピンク色の飲み物、ピンク色のお菓子などが一般的ですが、彼女のお盆には、ピンク色のコスメも入っていました。お金もかけており、準備もかなり本格的です。
そもそも、自分の願いを50個以上書き出したら、頭の中が整理されて、願い事が叶いそうな気がします…
熱心な参拝客その②…蓮の花とピンクの牛乳を備えたお盆を20枚以上お供えしている男女4人の参拝客を発見。

お供え物のお盆がなんと20枚!これ個人のお供え物です
すごい量でした。
個人的な恋愛祈願というよりも、何か商売をしている人達のようです。
ラクシュミーは「美」のみならず、「豊穣」の神様でもあるため、ポツリポツリと男性客も混じっています。
熱心な参拝客その③…今度はビニール袋から次々取り出された、蓮の花の巨大なブーケが次々台に置かれました。

蓮の花の巨大ブーケが到着。なんとこちらも個人のお供え物でした

巨大な蓮の花のブーケで埋め尽くされたお供え台
あっという間に、お供え物用の台が蓮の花で埋め尽くされてしまい、最初は、台に花を飾る専用の業者さんが来たのだと思いました。しかし、どうやら一般の人が、個人的にお参りにやってきただけのようなのです。
この巨大ブーケをお供えしている女性は、なんとなく見た目の雰囲気から経営者のようです。これからエステサロンを開業するとか、ネイルサロンを始めるとか、そんな理由かもしれません。
ちなみに、お供え物を置く台は次々に埋まってしまうので、掃除のおじちゃんが定期的にお供え物を回収していきますので、ご安心ください。
さて、この記事を読んで気になった方。「きれいになれて、恋愛も上手くいって、お金も入ってくるなんて、すごすぎるワ!」と感動した方。ぜひ週末に足を運んでみてください。
ラクシュミーがご利益をあなたに運んでくれるかもしれません。
また、ピンク色で埋め尽くされたラクシュミー像周辺は、写真を撮ってもインパクト大で、旅行者にもおすすめです。
以下行き方などの詳細です。
*行き方…BTSチットロム駅を降りたら、スカイ・ウォークをサイアムの方向に歩きます。しばらく歩くと、右側にゲイソン・ヴィレッジ2階につながる通路があるので、そこから、ゲイソン・ヴィレッジに入りましょう。
ゲイソン・ヴィレッジ入口に行く短いエスカレーター左側にスターバックスがあるのが目印です。

BTSチットロム駅をサイアム方面に歩くと、ゲイソン・ヴィレッジに直結する通路があります
*行き方その2…エスカレーターに乗って、ゲイソン・ヴィレッジ2階に入ったら、そのまま右側を歩いてください。
10mほどすぐ先の右側に、ラクシュミー像のある4階バルコニーに
行ける専用エレベーターがあります。
ちなみに、モール内のエスカレーターや、他の場所のエレベーターに乗っても、ラクシュミーのいる4階には行けません。行けるのは、この専用エレベーターのみです。注意しましょう。

ラクシュミー像のある4階へは、専用のエレベーターで行きます。
*お参りする前に…4階バルコニーに出て、すぐにはラクシュミー像はありません。
奥の右端にあります。入口付近は、お供え物を置く金色のお盆の貸出し場所&作業コーナーです。
金色のお盆は無料で貸出ししているので、持ってきたお供え物をお盆に飾り付けましょう。
売店もありますが、割高なので、持参するのがおすすめです。
ピンク色の蓮(はす)の花ほか、りんご、ピンクミルク、イチゴ味ポッキーなどが定番のようです。お供え物が大量のため、回収したお供え物をいただいて再利用できるBOXも置いてあります。
ピンク色の線香も置いてあります。

4階のバルコニーに出ました。ラクシュミー像は奥を右に曲がった、そのまたさらに奥にあります

お供え物を置く金色のお盆は無料で貸し出しています。台もあるので、飾り付ける作業ができます
*さあ、いよいよお参りです…土日は、とにかく人がたくさんいて、ラクシュミー像の前でお祈りしたり、お供え物をお供えするのにも時間がかかりますが、せっかくなので、頑張って待ちましょう。

ラクシュミーの乗った円錐の台を囲むように、参拝客がお祈りをしています
みんな、お願い事をぶつぶつ唱えていますが、ラクシュミーのマントラなども一緒に唱えているのでしょうか?
ネット検索で“ラクシュミー マントラ”で調べて、唱えてみましょう。ちなみにインドの神様のマントラは、最低3回、もしくは9回、11回唱えるそうです。もっと本気でお願いしたい場合は、108回唱えるのもよいそうです。
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タイ自由ランド 2025年9月20日号掲載
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