タイが好きすぎて就職までしちゃいました! ―新卒社員ティウの奮闘記― 第6回「チャオプラヤ川を望む“知のアトリエ”へ」

タイでの生活にも、ようやく心に余裕が出てきた頃のこと。ふと「今日は少し遠くまで行ってみよう」と思い立ちました。

実は私には日本にいた頃からずっと気になっていた場所があるのです。それは――図書館。幼い頃から本が大好きで、本に囲まれて育った私は、大学でも図書館情報学を専攻していました。だからこそ「図書館」という空間には、特別な想いがあります。

さっそく、ヴィクトリーモニュメントのバス停から4―69番バスに飛び乗りました。目指すは、チャオプラヤ川にかかるラマ8世橋のすぐそば「Prince Vivadhanajiya Library(プリンス・ピバダナジャヤ図書館)」。

この図書館はもともと造幣施設だった建物を改装し、タイ銀行設立75周年を記念して開館したのだそうです。館内には銀行の歴史や貨幣の展示が並ぶ博物館ブースもあり、興味深くはあったものの、今回の私の目的はあくまで図書館。展示を一周だけ眺めて、足早に目的地へと向かいました。

図書館内に一歩足を踏み入れた瞬間、思わず私は息をのみました。全面ガラス張りから降り注ぐ自然光、高い天井、中央に伸びるブラウンの螺旋階段。広々とした空間は、未来的なワークスペースのようでありながら、不思議と心に安らぎを与えてくれます。

WiFiや電源も完備され、専門書の充実度も抜群。ここはまさに“知のアトリエ”でした。

そして何よりも、この図書館の特等席はチャオプラヤ川を望む大きな窓。…ただ、実際に目にした光景には少し驚かされました。インターネットで見た写真から壮大な景観を想像していたのですが、川は茶色く濁っていたのです。タイ人の知人曰くチャオプラヤという名前は“川の王”と言う意味なんだとか。そう聞けば、むしろ「川の王」らしい迫力に思えてきました。

そのときでした。川面を眺めていた私の耳に、突然「パーーーーッ」と大きな音が響き渡ったのです。何事かと見渡した瞬間、驚きの光景が目に飛び込んできました――。

つづく。

図書館は階段を上がった2階

チャオプラヤ川を一望

タイ自由ランド 2025年9月20日号掲載

コメント