(2023年10月20日号の記事です)
「ソイ・ランナム」。あまり聞かなくなった通りですが、以前は日本人の若い人向け格安アパートご用達の場所で、シーロムやスクムビットの歓楽街で働く若いタイ人女性も多く住む「都心に近くて、格安アパートがある!」という立ち位置の場所でした。
ソイランナム、ラチャプラロップ、戦勝記念塔、ディンデーンというのがキーワードで、以前は1ヵ月4000バーツ~8000バーツのアパートも豊富にあり、短くて小さな通りですが、居心地よくて、雰囲気もよい通りです。
そんなソイを今回、編集部のJがブラブラと歩いてみました。
まず、日本人が多く住むプロンポンなどから、グリーンラインに乗って1本で行けるBTS戦勝記念塔駅に行きます。駅を降りてソイランナムに向かい、ソイの入り口には、センチュリー・ザ・ムービー・プラザがあります。平日は学生らで賑わっており、ここがソイランナムの入り口のようです。日本では「駅から10分ほど」というと歩ける範囲ですが、タイでは暑いので「駅から7分ほど」が精一杯です。そこで、歩ける範囲にあるアパートやコンドミニアムなどを探してみました。
そうすると、デン!と「RHYTHM(リズム)」があり、これは日本人にはおなじみのコンドミニアムで、購入してタイ人が貸しているケースでは、35㎡で家賃25000バーツという物件がありました。また、調べてみると、同じソイのずっと向こうの「アイディオモビ」は、35㎡で家賃22000バーツです。日本人駐在員や高齢者のロングステイ向けには、7000バーツ~12000バーツほどで泊まれるオンヌットやウドムスックと比較すると、そちらを選んでしまうかも知れません。
さて、ランナム通りに戻って、コロナ前は多くの観光バスが連日やって来たという「キングパワー」の免税店があります。まだ以前のように中国人が戻って来ていないようで、観光客のツアーバスで賑わっている、というところまではいっていません。
ランナム通りをさらに歩くと、サンティパープ公園があります。文字通り、通りの中心はこの憩いの場のようです。
例えば、「ターダー レジデンス」は、駅から徒歩9分で、1泊1200バーツから。また、両脇にもホテルがあり、公園の横にあるソイはホテルが集中しているエリアでした。
観光客向けのホテルや、外国人向けのコンドミニアムだけでなく、現地のタイ人が暮らす家やアパートなどもソイに入るとたくさんあります。
スワンナプーム空港から1本で行けるエアポートレイルリンクのパヤタイ駅から乗り換えてひと駅という立地は魅力です。「ラクラク空港から35分!」というのは、うたい文句としていいかも知れません。
さて、ランナム通りの食事場所ですが、「クアンシーフードのプーパッポンカリーは逃すな!」と同僚に言われていたのですが、そこまで行くのにはまだ距離があったので、食事場所を探しました。
この通りは車で混むということはなく、片道2車線のうち一車線は、車の停車ができて、タクシーの運転手がここに停めて、おいしいクイッティアオ屋さんやイサーン料理店で食事をしています。
その中で、田舎の家を思い出すような懐かしい雰囲気の「イサーンロットデッド」に入ってみました。メニューは、イサーン料理で定番のものがたくさんありましたが、ソムタムタイとコームーヤーン、そしてカオニィアオを注文。観光客がよく訪れるお店ということもあり、Jがお店に入った時も人は結構いましたが、食事中にも続々と人が来店して来ました。ほとんどがタイ人でしたが、近くにキングパワーがあるからか、中国人10人ぐらいの集団や、中国人の若い人たち3人ぐらいが来店したりしていました。
ところで、ソイランナムのもう1つ端のラチャプラロップ通りに入ると、エアポートレイルリンクのラチャプラロップ駅が近いのですが、さきほどのパヤタイ駅より空港からさらに近いので、このあたりカオサンのように格安ホテルのメッカになる要素が潜在的にあるといえるでしょう。
そして、この通りにはさらに2028年にオレンジラインのタイ文化センター駅~トンブリー駅が開通予定で、悲願だったプラトゥーナムまであっという間に行けるようになる(同僚の話)ので、将来的にはさらに発展する街になることは間違いありません。
ところで、このラチャプラロップ通りから少しソイに入り、今も変わらず格安で泊まれる「ラチャプラロップタワーマンション」があります。
同マンションは、ランナム通りからラチャプラロップ通りまでの道をまっすぐ歩き、歩道橋を渡って、少し細いソイを歩いていくと到着します。行く道中には、学校や小さなお店などがあり、ローカル感を感じさせる雰囲気の中に、23階建ての、部屋数が500室ほどある大型マンションがどーん!と、ソイの中から現れます。同マンションのオーナーは日本語が可能なので、これまでにも多くの日本人が利用しています。各部屋に無線高速インターネットや、開放感たっぷりの屋外プールがあるなど、設備が整っているにも関わらず、格安で泊まれるところが魅力。部屋の値段は位置や広さで少々前後しますが、例えば、一番安い部屋が23㎡で4900バーツ、2ベッドに2バスルーム、冷蔵庫付きの広い部屋が9400バーツ~など。
このように、現在でも格安アパートは残っていますが、今後オレンジラインができることで、ランナム通りからラチャプラロップ通りにかけてはさらに発展するでしょう。