タイに残る戦前の日本製の軍艦 【メークロン号 】チャオプラヤー川の河口で雄姿を見せる!

貴重な戦前の日本製の軍艦メークロン号

今年は戦後80年という節目の年です。戦前と聞くと遥か遠い昔に感じますが、戦前に日本で作られた軍艦が、今でもタイでしっかりと保存されています。

その軍艦は、プラジュンジョムクラオ要塞(Phra Chulachomklao Fort)にあるメークロン号で、戦前の日本製の軍艦がタイに残っているのは、大変貴重なことです。

プラジュンジョムクラオ要塞は、バンコクの中心部から約30km離れたチャオプラヤー川の河口にあります。

メークロン号は、日本がタイから発注を受けて戦前に供与した軍艦で、1937年に横須賀の浦賀造船所で建造され、第二次世界大戦中から1996年まで使用されていました。

全長は85mで巨大ではないですが、間近で見るとなかなかの迫力です。

特に斜め正面から見ると、いかにも戦艦という感じで格好良く、つい軍艦マーチや宇宙戦艦ヤマトのテーマ曲を脳内再生させてしまう人もいるでしょう。

メークロン号は、横須賀にある日露戦争で活躍した戦艦三笠の様に、記念艦として陸に固定されているので、揺れることはありません。無料で自由に艦内を見学できます。

特に軍事関連や歴史好きでなくても、艦内を見て回るのは楽しいです。ただ高所恐怖症の人は、梯子で上に登るのは怖いかもしれません。

子供たちが艦内ではしゃいで遊んでいましたが、平和だからこそ見ることが出来る光景です。


メークロン号からは、広々としたチャオプラヤー川の河口を一望できますが、この河口付近は、日本でいえば東京湾の入口、ペリーが黒船で現れた浦賀沖にあたり、首都バンコクを守る重要な拠点になります。

19世紀後半、イギリスやフランスはタイの植民地化を狙っており、その侵略を阻止するために、プラジュンジョムクラオ要塞が建設されました。

メークロン号がある公園にはラーマ5世の銅像があります。ラーマ5世は、要塞が作られた時のタイ国王で、タイを欧米列強の植民地化から守った国王として尊敬されています。

博物館もあり、実際に使われていたアームストロング砲や、いろいろな兵器が設置されていています。公園には猿がいて、たまにメークロン号の周りをうろついています。

一般に解放されていますが、あくまで海軍施設なので、入るにはゲートで簡単なチェックがあります。タイ人はIDカードを見せています。厳しくチェックをされることはないですが、パスポートやタイの運転免許証などを持っていれば安心でしょう。

バンコクから少し離れており、アクセスは便利とは言えませんが、レストランもあり、のんびり過ごすには良いところです。たまには、歴史に思いを馳せるのもいいですね。

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