GELBOYS 聖地巡礼

 タイの青春BLドラマ 『GELBOYS』 は、バンコク・サイアム周辺を舞台に、現代の若者たちの恋や友情、そして曖昧な関係性をリアルに描いた作品です。物語の中心となるのは、Fou4Mod、Chian、Baabin、Buaという4人の若者たち。彼らはネイルアートやSNSなど、今の世代ならではの文化を共有しながら、複雑な恋愛関係の中で少しずつ成長していきます。

 主人公の Fou4Mod は恋に憧れる高校生。彼はネイルが好きな Chian を追いかけてサイアムへ通うようになりますが、ChianがTikTokインフルエンサーの Bua とも親しくしていることを知り、感情は次第に揺れ動いていきます。さらに親友の Baabin も巻き込みながら、4人の関係は「誰が誰を好きなのか」が分からないほど複雑に絡み合っていきます。

恋なのか友情なのか。はっきりしない関係のまま続く距離感。そんな「好きと言えない関係」を、サイアムの街の日常風景の中で描くのが『GELBOYS』の魅力です。

そのロケ地のひとつとして登場するのが、Lido Connectの2階にあるバナナスイーツ専門店 「กล้วย กล้วย banana banana」。

この店が最初に登場したのは第1話。ダンスチャレンジを踊っておなかがすいた Bua が訪れ、この店の前でFou4Modからインタビューを受けるシーンがあります。軽やかな会話とともに、街の若者らしい自由な空気が漂う場面です。ダンスの余韻が残る中で甘いスイーツを求めるBuaの姿は、作品全体のポップな世界観を象徴するワンシーンと言えるでしょう。

そしてこの店は、第5話でも印象的な場面の舞台となります。ChianがBuaに「勘違いさせたくない人がいる」と話すシーン。

それまで軽やかに見えた関係の裏にある感情が、静かに浮かび上がる瞬間です。甘いスイーツの店という柔らかな空間の中で語られるその言葉は、ふたりの関係の微妙な距離感を強く印象づけます。

実際に กล้วย กล้วย banana banana を訪れると、ドラマの雰囲気をそのまま感じることができます。店内は明るくカジュアルで、バナナワッフルやバナナボールなど、バナナを使ったスイーツが並ぶ親しみやすいデザートショップ。壁には訪れた人々が各々自由にメッセージを書いた付箋で埋め尽くされています。特別な観光地というより、若者がふらりと立ち寄る日常の場所です。

だからこそ、この店で描かれるシーンはリアルです。

甘い香りのする店内。少しだけ真剣な会話。青春の中で生まれる小さな感情の揺れが、何気ない街の風景と重なって胸に残ります。

もし『GELBOYS』の聖地巡礼をするなら、ぜひ กล้วย กล้วย banana banana に立ち寄ってみてください。店の中でバナナスイーツを味わっていると、踊っていた Bua の姿や、 Fou4Mod のまなざしが思い浮かびます。そして、静かに本音をこぼした Chian の言葉や、密かに想いを募らせる Baabin の存在も、きっと重なって感じられるはずです。甘いバナナの香りが漂う店先で、4人それぞれの想いが交差したあの瞬間を、ぜひ思い出してみてください。

タイ自由ランド 2026年3月20日号掲載