【パヤナーク戦記】7.巨大な暗黒の渦

 

この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

 戦いはすぐに終わったようにみえた。

水面から昇る火の玉は消えてなくなり、静かな星空が天上にあった。

やがて、どこからともなくバオバオとホーとレンがもどって来た。

”戦いは我々の勝利だ。宇宙から来た連中は逃げていった。”

わたしたちはその言葉に安心した。

”パヤナークはここにはいない。生まれ故郷のナイル川にいるそうじゃ。”

バオバオがいった。

 

その瞬間、天上の夜空に暗黒の渦巻きが現れ、わたしたちに近づいてきた。

わたしたちはその巨大な暗黒の渦に巻き込まれ、私は気を失った。

 

私は幻覚をみていた。

7頭の巨大なスフィンクスが円を描いて座っている。

その顔はみなちがっている、体型もだ。

共通しているのは、翼があることだった。

そして、巨大なスフィンクスは石像のように動かなかった。

やがて、太陽が昇り巨大なスフィンクスを照らすと、

突然、7頭の巨大なスフィンクスは円を描いて走り始めた。

すると、光の竜巻が現れた。そして、その中心に

巨大な光の柱がいつの間にかたっていた。

 

気がつくと私は公園に立っていた。

何もおぼえていない。

 

しかたがないので、私はホームレスとして、仕事もなく、公園のベンチで

寝て暮らした。

 

その日は、食べ残しの弁当を3つとおにぎり

3個をコンビニのゴミ箱でみつけたラッキーな日だった。

手持ちのお金でビールも買った。

その日は幸せな気持ちで、公園のベンチで眠ること

ができた。

 

それは、まだ太陽が姿をあらわす前の早朝のこと

だった。私はふと何かの気配に目がさめた。

目をあけると、そこには不思議な人影が立って

いた。暗闇の中で、ぼんやりと光る人影。

大きな2つのオレンジ色の目が暗闇の中で

目立っていた。

 

”こんにちは、これあげる”

その人影が話しかけた。何か不思議な金属のような声だった。

”え、いったい誰、まだ寝てるんだけど”

”こんにちは、これあげる”

その不思議な人影は、ベンチからおきあがった私に

古い黄色いショルダーバッグをさしだした。

”え、何。これを僕にくれるの。”

”こんにちは、これあげる”

私は受け取った古い黄色いショルダーバッグの

中をみた。中には、小さなスマホのようなものが

たくさん、30ぐらい入っていた。

”これを僕にただでくれるの。怪しいな、なにか悪いことたくらんでない。”

”説明、読んで、さようなら”

そう言うと、不思議な人影は、暗闇の中に溶けるように

消えてしまった。私は、受け取った古い黄色いショルダーバッグ

を抱きかかえたまま、しばらく暗闇の中で立っていた。

 

コーヒブレイク

古代エジプトにおける本来の名は不明だが、ギリシア語名は古代エジプト語シェセプ・アンク(szp 3nh, シェセプ=姿・形 アンク=再生・復活の神 「アンク神の像」の意)に由来するのではないかとする説がある。ただしこの語は神あるいは王の像に対してのみ使われており、合成獣に使われた証拠はない。

スピンクスは女性名詞であり、中国語では「獅身人面像」または「獅身女面像」と訳される。夏目漱石は『虞美人草』の中で「獅身女」という漢字に「スフーヒンクス」という熟字訓を当てた[1](漢字検定1級の問題集に「獅子女」という表記が見えるが典拠不明)。永井荷風は『あめりか物語』の中では「怪像」に、『ふらんす物語』の中では「怪神」に熟字訓をあてている。一方、ヘロドトスはエジプトの合成獣を描写する際にこの名詞を「Androsphinges」と男性化したが、これが男性スピンクスの唯一の例である。また村井知至『社会主義』p14には「スヰンクス」という表現があり、明治・大正期には様々な表現が散見される。

本来はエジプト神話の生物であるが、非常に古くからギリシア神話にも取り入れられていた。エジプトのスフィンクスは王家のシンボルで、ギザのピラミッドにある、いわゆるギザの大スフィンクスは王の偉大さを現す神聖な存在である。対してメソポタミアやギリシャのスフィンクスは怪物として扱われていた。

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