【パヤナーク戦記】4.蘇るマボマボ神

2020年12月19日

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この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

地下神殿への階段を降りて行くと、松明の明かりで、その壁に古い壁画が書かれていることに気がついた。それは、この島の歴史、人類の歴史以前の出来事が描かれていた。どうやら下に行くほど古い出来事が描かれているようだった。下への階段は果てしなく続いているようで、壁画に描かれている不気味な生物も、下に行くほど人間離れした、ありえない生物だった。

階段の途中でホウが立ち止まった。

”ちょっとまってください。”

そういうと彼女は、大きな蜘蛛とライオンみたいな動物が戦っている壁画に触れた。

すると、その壁画の部分が音をたてて回転し、中に入ることができるようになった。

”ここから地下の神殿へはエレベータで行くんです。”

”え、エレベータ、何言ってるの?”

”歩いて行くのは無理なんです。”

”でも、あの空間移動っていうの使わないの。”

”ここは、マボマボ様の神殿なのでその能力は使えないんです。”

でも、なんで未開の部族が住む文明に接触していない島にエレベータがあるのだろうか。

エレベータにはボタンがなかった。中に入ると自動的にドアがしまり、すごい速さで下降していった。

エレベータのドアが開くと、そこは驚く光景だった。

5メートルもある巨大生物、あの銅像と同じ下半身は人間で上半身がワニのような姿の生物が透明な水槽の中に立っていた。

 

エレベータのドアが開くとそこには、どこかで見たような白衣を着た人物が立っていた。

私は、思わず”何で昔に死んだアインシュタイン博士がここにいるのだ”と心の中で思った。

”わしはアインシュタインのクローンじゃよ。わしみたいなクローンは世界に7人いるんじゃ。驚いたかな。”

博士の口は動いていなかった。どうしたんだ、みんなテレパシーを使っている。

”有史以前の人間は現在よりも高度な文明を築いて、言葉は存在しなかったんじゃ。”

”え、いきなり何を言うんですか。”

”あんたは日本人やな。天ぷらは好きか。”

”はあ、こんなときに何を、いきなり。”

”そんなことより、この水槽の中にいる生き物はなんですか。”

”光より早いものはないのじゃ。”

”はあ?”

”そんなことより、これ、これはなんですか。”

”それが、古代より生き続けるマボマボじゃ”

”これが、マボマボ。”

”そうよ、太古の時代に宇宙からの侵略者と戦ったマボマボ様です。”

ホウがテレパシーで語った。

”マボマボが目覚めていたころは、全世界の人間がマボマボの力で、

テレパシーを使うことができたんじゃ。”

”宇宙からの侵略者は、マボマボ様を眠らせることで、人類がテレパシーを

使えなくなるようにしたのです。

”この島の住民は外部にはわからない独自の言語で話すと言われて

いるのは、カモフラージュじゃ。みんなテレパシーでコミュニケーション

できるのじゃ。”

”この島の範囲だけは、マボマボ様の能力がいまでも影響を与えて、みんな

テレパシーで話ができるのです。”

”でも、ホー、君は島の外でも、テレパシーが使えるようだけど。”

”私達は戦士だからです。特殊な能力を持っているのです。”

私はなんだかよくわからないありえへんことばかりなので再びパニック状態になっていた。

”博士、たいへんです。バオバオの心拍数が急に高くなっています。”

声の方を振り向くと、そこには若い金髪の女性がこちらに向かって走ってきた。

近づくとそれが誰だかわかった。マリリン・モンローだった。

もう質問はしてる時間はなかった。

古代の地球の守り神バオバオが長い眠りから、目覚めようとしているのだった。

今日の名言

偉大な精神を持つ人々は、平凡な人々から強い反発を受けるのが常だ。平凡な人というのは、過去の慣習に盲目にならず、勇敢に意思表示する人々のことを理解できないのだ。

アルベルト・アインシュタイン

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無解行末那

無解行とは、信じることを大切にしたいという気持ちです、末那は九識論の末那識、自我にとらわれて世界をゆがんだ認識で観ている自分の姿。唱題行で心を磨き、理想郷、九識心王真如の都をめざします。人工知能、Python3、チェス、SF、Vtuberなど進化するもの、人の心の進化に興味があります。