「バンコク国立博物館」日本語ガイドツアーが凄い!日本人ボランティアの努力が垣間見える

タイの歴史を少しでも知っているとタイがより面白くなります。そこで、ぜひ訪れてほしいのが「バンコク国立博物館」。1000点以上の貴重な展示品があり、ここに来ればタイのことを少しでも知れます。しかし、タイをあまり知らない、ましてや説明書きがタイ語や英語で書かれているので理解が難しいでしょう。そこで、おすすめなのが日本人ボランティアによる日本語ガイドツアー。日本語で展示品をわかりやすく説明してくれ、ガイドなしでは気づかなかったことやタイの歴史について教えてくれます。今回は日本語ガイドツアーの様子と、日本語ガイドの日本人ボランティア2名の方のインタビュー内容をご紹介。

まず、日本語ガイドツアーは、毎週水曜日と木曜日の朝9時30分から11時30分に行われます。入場料の200バーツを払えば無料で日本語ガイドに参加でき、当日予約なしで博物館のチケット売り場付近に集合なので、気軽に参加できます。時間になったら2つのグループに分かれ、ひとグループに3人のガイドが付き、数人のゲスト(観光客、在住者)でスタート。平日にもかかわらず、思っていた以上のゲストがいたので驚きました。

バンコク国立博物館の入口

バンコク国立博物館の入口

日本語ガイドツアーは、貴重な展示品の数々の中から特に見ものの展示品を見て行くのですが、その都度日本語ガイドの方は、言葉での説明だけでなく、絵の拡大図や地図、漢字などを書いた紙を見せてくれるので、わかりやすかったです。それだけでなく、展示品には直接触れられないので、レーザーポインターを使用して説明もしてくれました。このような工夫があることで、ただ説明を聞いて展示品を見るのではなく、展示品にはそのような歴史があるのか、そんな意外なことがあるのか、などという発見を見つけたり考えさせてくれたりします。

そんなこんなであっという間に2時間の日本語ガイドツアーは終了。無料でいいのか?というほど充実した時間でした。それにしても、日本語ガイドの方の知識の豊富さとわかりやすい説明は、たくさん勉強したのだと感じるぐらいでした。

博物館のチケット売り場付近に集合

博物館のチケット売り場付近に集合

絵の拡大図や地図、漢字などを書いた紙を見せて説明もしてくれる

絵の拡大図や地図、漢字などを書いた紙を見せて説明もしてくれる


さて、日本語ガイドの日本人ボランティアをしている樫原さんと栗山さんにインタビューをしてきました。

日本語ガイドの日本人ボランティアをしているリーダーの樫原さんとサブリーダーの栗山さん

日本語ガイドの日本人ボランティアをしているリーダーの樫原さんとサブリーダーの栗山さん

なぜ日本語ガイドをやろうと思ったのかを聞いてみると、

樫原さん:コロナウイルスが発生する3ヶ月前にタイに来たので、その後のコロナウイルスの影響で外出ができない期間が2年間あり、タイにいてもタイのことはあまり知りませんでした。ある時バンコク国立博物館に来て、ここでやっとタイの文化に触れることができました。その時は、ガイドなしでしたが、もっとタイのことを知りたい!と思うようになり、ネットで検索し、日本語ガイドのことを知ったのでやってみたいと思いました。

栗山さん:コロナウイルスが落ち着き始めた頃にタイに来ました。縁があってタイに来たのでタイのことをもっと知りたいと思い、日本でもよく行っていた博物館がタイにもあるか検索したら、偶然日本語ガイドの募集を見つけ、運命だと思い応募しました。また、日本語ガイドの先輩たちが、展示物に愛情を持って紹介している様子を見て、この環境だったら良い影響をもらえると思いました。

しかし、ガイドをしていく上で難しかったこともあるそうで、

樫原さん:原稿は作りますが、その原稿をいかにしてわかりやすく伝えたり作品の魅力を表現したりするのかが難しいので、表現力をこれからも磨きたいです。

栗山さん:勉強してもしても、勉強しきれないのが難しいです。一つのことを知ったとしても、それに関連する事柄がたくさんあるので、学びきれないのです。しかし、それが面白さでもあり、好きで続けてこられました。

ガイドツアーに参加して日本語ガイドの方の「知識の豊富さと、わかりやすい説明」と感じたのには、いかにしてゲストに楽しんでもらえるのか、理解してもらえるのか、ということを考えて日々取り組んだり勉強したりしているからでしょう。

この日本語ガイドを行っているガイドの方は、20代から70代の幅広い年齢層の人たちが43名いるそうです。毎年5月ぐらいになると日本語ガイドの新会員を募集しますが、今年は多数の応募の中から14人が決まり、勉強会やガイドリハーサルを何度も重ねて本番に挑むそうです。それがあるからこそ、平日にも関わらず多くのゲストが訪れたり、昨年の1ヵ月で平均120人もゲストが参加したりするほどの規模になるのでしょう。今年はもっと多くなるともいわれています。

ゲストは、観光客が最も多いそうです。もちろんタイ在住の方も来てくれ、何度も参加してくれている方もいるそうです。その理由の一つには、基本的に同じ原稿でも一人ひとりの言い回しや伝え方が違うため、前とは違う日本語ガイドの方と一緒になれば、また違った見方や考え方ができるからなのではないでしょうか。

貴重な展示品の数々の中から特に見ものの展示品を見て行く

貴重な展示品の数々の中から特に見ものの展示品を見て行く

色々なゲストに出会うということで、印象に残っているゲストを聞いてみると

樫原さん:観光で来てくれた方が、5回も参加してくれたことです。顔も覚えてくれていて、何回来ても楽しいと言ってくれたのも嬉しかったです。

栗山さん:コロナ禍で、タイの旅行にたくさんの手続きが必要な時、観光客1人に対しガイド3人という時がありました。観光客の方はおひとりでも大変楽しんでくれていました。そして、その半年後また同じゲストが来てくれたのです!日本語ガイドの会員はほかにもたくさんいるので、誰が担当するかはわからないのですが、私がガイドを担当する日にまた偶然来てくださり驚きで印象に残っています。

この日本語ガイドツアーは、大人向けのガイドですが、親子で参加してくれる方もいます。お子さんが興味津々で話を聞いてくれたり、質問に積極的に答えてくれたりするのも、印象的であり嬉しいことでもあるそうです。

また、日本の学生向けの特別ガイドの際、学生は楽しんでくれるのか、面白いのか、などガイドツアーをやる前は不安に思っていても、いざやってみると、キラキラとした目で興味を持って聞いてくれてとても印象的だったそうです。

そして、今は平日しか行われていない日本語ガイドツアーですが、平日で参加することが出来ない人でも参加できる「土曜ガイド」と、子どもにもよりわかりやすくより楽しんでもらえるような「親子ガイド」が登場する予定です。まだ、バンコク国立博物館に行ったことがない人、日本語ガイドツアーに参加したことがない人は、ぜひ参加してみてください。

大人も子どもも興味津々にガイドさんの話を聞いたり、展示品をみたりしている

大人も子どもも興味津々にガイドさんの話を聞いたり、展示品をみたりしている

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バンコク国立博物館の場所