タイ山岳民族の子どもたちへ、笑顔をとどけるタンブン・ツーリング アーク・どこでも本読み隊の活動

タイには、善行や喜捨を意味する「タンブン」を日常生活で大切にする文化があります。その一つの形として定着しているのが、サイクリストたちが沿道の人々に寄付を呼びかけ、善意をそのまま必要な支援につなぐという「タンブン・ツーリング」。タイならではの温かな活動です。

第2弾の様子

12月16日から26日までの約11日間、総距離約800kmを走破する「Bookworm Bike Ride 2025(ปั่นให้อิ่ม ปั่นให้รู้)」を実施します。27日には集めた寄付の授与式を行います。参加者は前日の15日にバンコク郊外のお寺に集合し宿泊したのち、翌16日の早朝に出発します。

走りながら出会う人々から寄付を受け取り、その善意を北部山岳民族の子どもたちの教育支援へつなぐことが、このツーリングの大きな目的です。

沿線住民から寄付(タンブン)を募ります

ツーリングに使用する自転車

本企画で支援するのは、プラーオという町の周りの山にある2つの幼児教育センター「太陽の家」と「えがおの家」です。ここでは、2〜6歳の子ども22名が、子どもたちと同じく山岳少数民族出身のスタッフのもと、遊びを通してタイ語・英語の基礎や数の概念、生活習慣を学んでいます。

幼児教育センターの子どもたち

山岳民族出身のスタッフと学んでいます

しかし、建物の老朽化や食費・運営費の不足により、安定した教育環境の継続が難しくなっています。今回の寄付金は、校舎の修繕費(約70万円)、給食費(約60万円)、教員給与や教材費などを含む運営費(約70万円)として活用される予定です。

この取り組みを主催するのは、チェンマイ県プラーオ郡を拠点に活動するNGO「アークどこでも本読み隊」。設立者は、全盲の日本人女性・堀内佳美さんです。同団体は、「誰もが本に出会い、学びを楽しめる社会」を目指し、15年以上にわたり活動を続けてきました。

本ツーリングの発起人は、サイクリストとして「タイ全77県制覇」を達成した日本人女性、あいばかおり(ダーウ)さん。あいばさんは20年以上にわたりタイを自転車で旅してきました。

堀内さん(左)とあいばさん(右)

現地のサイクリストに誘われたことをきっかけに、寄付集めツーリングに参加するようになり、その後は50回以上ものタンブン・ツーリングを経験してきました。

この活動は、1週間から10日ほどかけて500kmから800kmほど走ることが多いそうです。道中では出会う人々から寄付を受け取りながら、まるで「走る募金箱」のように目的地へと進んでいく。そんな多くの人の善意が循環し、社会が活性化する活動に、彼女はすっかりハマってしまったのだといいます。

今回のタンブン・ツーリングは、タイ国内のリアルな寄付集めに加えて、日本とタイの2か国でクラウドファンディングも並行して行い、オンラインで支援が可能です。
詳細は下記QRコードから!

クラウドファンディング 日本語ページ

クラウドファンディング英語ページ ※タイQR決済が可能です

みなさんもぜひ、応援の輪に加わってみませんか。

(編集部 ティウ)

 

タイ自由ランド 2025年12月20日号掲載

 

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