タイドラマロケ地巡り!切なさが交差する場所 フアランポーン駅 【Theory of Love】

『Theory of Love』は、片思いの切なさや苦しさを真正面から描いた青春ラブストーリーです。大学3年生のサード、カイ、トゥー、ボーンは、通称「ギャングスターズ」と呼ばれる、大学内でも注目の存在。映画制作を通じて強い絆で結ばれた4人ですが、その関係は決して平坦ではありませんでした。

サードは長い間、親友であるカイに密かな恋心を抱いています。しかし、その想いを打ち明けることはできず、「友達」という立場に甘んじたまま、カイの恋愛を一番近くで見続けてきたのです。無邪気で、時に残酷なカイの言動に、サードの心は何度も深く傷つけられる。それでも離れられない――。その想いが限界に達したとき、二人の関係は大きく動き始めます。友情か、恋か。報われない恋の痛みと、気づいたときにはもう遅い後悔を描いた本作は、観る者の胸を静かに、しかし確実に締めつけてきます。

第11話の舞台となったのが、パトゥムワン区にあるフアランポーン駅(正式名称:バンコク駅)。4人がすれ違い、カイが仲間たちを待ち続ける印象的なシーンが描かれた場所です。特に心に残るのは、駅の背景がしっかりと映り込む引きの画角で撮影された場面。広い空間の中でぽつんと立つカイの姿は、彼自身もまだ気づいていない孤独や不安を象徴しているように見え、観ている側に言葉にならない感情を残しました。

フアランポーン駅は1916年に竣工した、バンコク最大かつ最古のターミナル駅です。その外観は、ヨーロッパ建築の影響を色濃く受けた半円形のファサードが特徴的。大きなアーチ状の正面玄関と、左右対称に配置された装飾は重厚感があり、100年以上にわたり「バンコクの玄関口」として人々を迎え入れてきた歴史を感じさせます。昼間は堂々とした存在感を放ち、夜になるとライトアップによってどこかノスタルジックな雰囲気をまとうのも印象的。

駅舎内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは高い天井と広々としたホール。半円形の天井から差し込む自然光が空間をやわらかく包み込み、時間の流れがゆっくりと感じられます。

人々の行き交い、アナウンスの音、列車を待つ静かな緊張感――。そうした日常の風景の中に、登場人物たちの感情が溶け込むことで、ドラマのシーンはよりリアルで、より切ないものとして心に残るのだと思います。

100年以上にわたり人々の「出発」と「別れ」を見守ってきたこの場所は、『Theory of Love』第11話において、想いがすれ違う切なさや、待ち続ける孤独を静かに映し出す舞台となりました。広い駅構内に一人佇むカイの姿は、サードの報われない恋と重なり合い、物語の痛みをより鮮明に観る者へと伝えてきます。

作品と場所が響き合うことで生まれた、忘れがたい名シーン。ぜひ実際にフアランポーン駅を訪れてみてください。

(編集部 ティウ)

 

タイ自由ランド 2025年1月5日号掲載

 

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