トップスで買ったロスチャイルドのワインで乾杯

2023年5月12日

先日、自宅近くのトップスに行った際に、生ハムやらチーズやら売られているコーナーをウロウロしました。

今度、友人の家で食事会をするので、その場で食べられる何かいいお土産はないかなと探していたんです。

ハッと思い立って、ワイン売り場に行きました。

タイのトップスのワイン売り場で発見した『ムートン・カデ』

あったー!! ありました。ボルドーワインの『ムートン・カデ』です。

私はワインに関しては全く知識がありません。

でも、このワイン、分かる人なら少しだけ話で盛り上がれるワインです。

ロスチャイルドが作っているワインなんです。

『えっ、あのロスチャイルド、、? ユダヤの、、、? 国際金融資本の、、、、?』

そうです、世界有数の巨大財閥の、名家中の名家ロスチャイルドが作っているワインです。

陰●論好きな人なら食いついてくるかもしれませんね。

『月刊ムー』を愛読してる人にあげても、喜ばれるかもしれません。

ちょっとした小話で盛り上がることができます。このワインを持参したら、最初の5分はあなたがパーティーの主役でしょう。

店内を見まわしたら、白ワインのムートン・カデも売っていたので、そちらを買いました。

私、赤ワインがあまり好きじゃないんです。

トップスで購入した白ワインの『ムートン・カデ』

ラベルをよく見てみると、”MOUTON CADET(ムートン・カデ)”の下に、

”BARON PHILIPPE DE ROTHSCHILD(バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド)”と書かれています。

※ 正式な日本語の読み方は『バロン・フィリップ・ド・ロートシルト』です。 

ロスチャイルド家6代目、ロンドン家のフィリップ・ド・ロスチャイルドさん(1902~1988)のワイン会社なんですね。

え!?ロスチャイルドのロンドン家ってほかにもあるの?と思われた方。実はあるんです。それは後述します。

「バロン」は貴族の称号です。ロスチャイルドは、イギリスでユダヤ人で初めて貴族になった人としても有名です。

どうして貴族になったのか?というと、それは長くなるので今回は割愛します。

フランスのボルドーのムートンという土地のワインなんですが、

1853年にロスチャイルド3代目のロンドン家のナサニエルさん(1812~1870)が購入しました。

そのワイン会社が息子、孫と代々受け継がれていたのですが、

ひ孫のフィリップさん(ロスチャイルド家6代目)が事業を受け継いでからは、

彼が土地の改良やマーケティングに奮闘し、

現在のような、世界中で売られている有名なワインブランドに変えていきました。

マーケティングのひとつとして、すごく有名なのが、ワインのラベルを毎年有名な画家の絵を使うようにして、

ワイン愛好家のコレクション欲を掻き立てた商品を販売していたことです。

ユニクロとかが、有名なデザイナーとか漫画のキャラのTシャツ販売するのと一緒ですね。

ダリとかピカソとかシャガールとか。そのほか、日本人の画家も過去に2人ほど、作品がラベルに採用されたそうです。

” ムートン ワイン ラベル ”とかで検索すると、過去のラベル一覧が出てくるので、気になる人は検索してみてください。

フィリップ男爵が亡くなったあとは、その娘のフィリピーヌさんが後を継ぎ、

そのフィリピ―ヌさんも2014年に亡くなり、現在は3人の子ども達が協力して後を継いでいるそうです。

公式ホームページに、会社の歴史が載っています。→ https://www.bpdr.com/en/the-history/key-dates

フィリピ―ヌさんの息子さんがワインを解説している動画が出てきました。

左の方でしょうか。フィリップ・セレイス・ド・ロスチャイルド(フランス語読みだとロッチルド、ロスチルド、ロチルドといった表記になります)さん。

先代のフィリップさんのお孫さんにあたりますね。ロスチャイルド8代目の方ですね。

解説しているのは、同ブランドの中でも、もっともっと高価なワインですね。

今回購入した『ムートン・カデ』は850バーツとか900バーツで販売しています。

庶民の私でも、ロスチャイルドブランドのワインがリーズナブルに買えるなんて、大変うれしいですね。

ちなみに『ムートン・カデ』が誕生したのは1930年だそうです。

そして、先ほど、ロスチャイルドのロンドン家という話が出ましたが、

実は、ロスチャイルドのフランス家も同じボルドーにワイン畑を持っています。

ラフィットというブランドのワインです。公式ホームページはこちら→ https://www.lafite.com/

ちょっと、ややこしいんですが、つまり、ロスチャイルドのボルドーワインがあるんですが、

ひとつは、ロンドン家が製造販売しているワインで、もうひとつがフランス家が経営しているものなんですね。

” Château Lafite Rothschild ” ※ 正式な日本語の読み方は『シャトー・ラフィット・ロートシルト』だそうです。

ロスチャイルド、パリ家が作るワイン”Lafite”

検索するとわかるのですが、残念ながらラフィットは高級品で、私のような庶民には手の届かないお値段なんですね。

街中でも見かけたことがないので、セレブが行くような高級なレストランとかに置いてあるのでしょうね。

日本語のワインサイトで、ラフィットの紹介ページをみつけたのですが→ https://www.enoteca.co.jp/item/detail/010020161

下の方に行くと、ソムリエの方の評価が載っていて

『美味しいを通り越して、もはや「尊い。」』とか『圧倒されすぎて表現する言葉が見つかりません』と書いてあります。

それって、どんな味なんでしょう?ぜひお金持ちになって、飲んでみたいですね。

ロスチャイルド2代目、パリ家のジェームズさん(1792~1868)が亡くなる直前の、1868年に購入したそうで、

ロンドン家がムートンを購入して、しばらくたった後ですね。

さらにさらに、ロスチャイルドブランドのワインってあるんです。

今回、いろいろ調べてみたら、ネットで芋づる式に次々出てきて疲れてしまいました。

なんでも、お金持ちの資産運用のひとつにワイン畑と工場を買ってしまうというのがあるんだそうです。

売れるワインを作れば、数年後には利益が出るようになるそうで、かっこいいですね。

お金持ちになると、知り合いとかから「ボルドーのワイン畑と工場の買い手を探してるんだけど、興味ない?」とか、電話がかかってきたりするんでしょうか。

もうひとつ、ロスチャイルド家の有名なワインといえば、

5代目、パリ家のエドモンさんのブランド、”BARON EDMOND DE ROTHSCHILD” のワインです。

公式ホームページはこちら→ https://edmondderothschildheritage.com/en/wines/

何度も書いていますが、私はワインのことは全然知らないんですね。

どちらかというと、ロスチャイルド家の家系図を追ったり、歴史を調べるのが好きなんですが、

この5代目のエドモンさん(1926~1997)という方は、ロスチャイルド家でもかなりすごい方で、

ロスチャイルドは代々、金融業を営んできた家系であり、敬虔なユダヤ教徒でもあるし、しきたりがすごく多いお堅いお家柄なんですね。

ですので、ワイン販売をやるとなったときも、親族とかから反対の声があがったくらいで、

なんでもかんでも儲かりそうなビジネスには手を出すとか、そういう一族ではないんです。

ですが、このエドモンさんは、いろんな事業にバンバン手を出すイケイケの方で、

金融業でも成功しているうえに、ホテルとかスパとか金持ち向けのリゾート開発などいろんな事業の投資に成功して、

ロスチャイルド家の中でも特別お金持ちの方だそうです。

現在は、息子さんのベンジャマン・ド・ロスチャイルドさんが事業を継いでいるそうですが、

調べてみたら、なんと、2021年に心臓発作で亡くなられていました。

ニュース記事はこちらです→ https://www.timesofisrael.com/benjamin-rothschild-prominent-french-member-of-the-banking-family-dies-at-57/

ニュース動画もありました↓

57歳の若さで亡くなられたそうです。大変残念ですね。ロスチャイルド家では珍しい、ワイルド系の見た目の方です。

自身の銀行があるスイスで亡くなられました。

このスイスの銀行は、ロスチャイルド家の銀行のスイス支店というわけではなく、お父様のエドモンさんが自分で建てた銀行です。

パリ家の出身ということですが、スイスに渡り、そこで金融業でも成功し、スイスでも有数の資産家になりました。

そして、肝心のワインですが、

”BARON EDMOND DE ROTHSCHILD”のワイン一覧が載っている日本語サイトを発見しました→ https://www.pieroth.jp/item?category_id=1508

エドモンブランドのワインもまあまあリーズナブルです。十分手の届く価格ですね。

アルゼンチン産のワイン『ゲラン・マルベック』

アルゼンチンとか、ニュージーランド産のワインもあり、イケイケのエドモンさんが、

世界中のワイン畑に目をつけて、リーズナブルで美味しいワインを俺が一から作ってやるんだ!と奮闘して作った魂の一品です。

そして、極めつけは、

今回紹介したロスチャイルド家のワイン会社3社が協力して作ったシャンパンです。こんなのもあるんですね、、、

シャンパーニュ・バロン・ド・ロスチャイルド・ブリュット

もう疲れちゃいましたね、、、

ここら辺でやめておきましょう。頭が混乱してきました。

ムートンとラフィットなんて、当初はライバル同士で仲が悪かったと本で読みましたよ。

いつの間にコラボ商品なんて出してるんでしょう、、とっても商売上手なんですね。

喧嘩したと思ったら、仲良く動画を出したりする、最近のYOUTUBERみたいですね。

私は庶民なので、ムートンカデを嗜む人生で丁度良いということなんでしょうか。

もっと知りたい方は、自分で調べるか、ワイン愛好家の方に聞いてみてください。

今回、ワインの紹介サイトとか、ワイン好きのブログをいろいろ見てみたのですが、

ワインって、味だけでなく、産地とか、どういう土地なのか、どんな製造方法なのか、どんな歴史があるのか、

すごく細かく知ることができて、ただ飲むだけでなく、とっても教養のある趣味なんですね。

ちなみに、私が買ったムートン・カデは、安いのにとっても美味しいと、けっこういい感じの評価がされていました。

ワインのこと、よく知らない方も、ぜひ飲んでみてください。

最後に、雑談です。

今回載せたワインの写真に、5本の矢のマークが入っているのに気付いたでしょうか?

私が買ったムートン・カデは、上の方についています。

ロスチャイルド家の5本の矢のマーク

これは、ロスチャイルド家の家紋であり、2代目のネイサン、ジェームズ、カール、サロモン、アムシェルの5人兄弟を表します。

日本でも武将の毛利元就が息子達3人を矢に例えて、3人で協力する大切さを息子達に伝えました。

ロスチャイルド初代のマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドさんも全く同じことを5人の息子達に言ったそうです。

この5人は、現在のロンドン、パリ、ウィーン、フランクフルト、ナポリでそれぞれ密接に連絡を取り合いながら

父が行っていた金融業を拡大していきます。

この中でもロンドン家のネイサンが活躍して、信じられないほどのお金持ち一族に変わっていくのですが、

この話は長くなるので、次回にでもします。

それで、ロスチャイルド初代のマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドさんは1743年に(1744年という説も)

現在のドイツの(当時は神聖ローマ帝国?)ユダヤ人の隔離居住地域のゲットーに生まれました。

そうです。ロスチャイルドはもともと現在のドイツから誕生したんですね。

ロスチャイルドは英語読みで、もともとはドイツの読み方で『ロートシルト』です。

ワインの商品名も『ロスチャイルド』ではなく、『ロートシルト』と表記されてましたね。

当時、ヨーロッパのユダヤ人は職業も住む場所も限定されていて、姓もなかったそうで

ロートシルトは、お店の看板?表札?として出ていた赤い盾という意味で、

それを、そのまま屋号に使ったことから『ロートシルト』という名前が定着していったそうです。

ロスチャイルド家のお話、とっても面白いんです。また、次回も話したいと思います!